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続 原発震災日誌⑯

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続 原発震災日誌

 「エミリー.ディキンスンとの対話」

 貴女と巡り合ったのは偶然でした、いつも行く古本屋で、色褪せた三百円の定価のついた貴女の詩集でした、数ページ立ち読みして、探していた友人に出会えたという気がしました、家に帰る前に、喫茶店で夢中になって読みました、「死」と「孤独」とをこれほどのいとおしさで描いた人を私は今まで知りませんでした、そこに暗さや、嘆き、諦めは見つけられません、人の大切な、忘れてはならない世界であることを、繰り返し貴女は伝えていました、二年前、癌の体験をした私でした、その時の気持を、わかりあえる人と話したくて、話しては虚しくなっていた私でした―――「死」や「孤独」は一人一人が噛みしめていくものだったのですけれど―――そんな私に、貴女は百年も前、ひっそりと語ってくれていたのでした―――自然と愛と孤独とを、あとを生きる人の道しるべのように
―――もっと貴女を知りたくって、話したくって続、続々と貴女の詩集を買って来て読みました、とても楽しい時間でした、生きている気がしました、その時の気持を、もう一度ゆっくりと辿りたくって、貴女と語り合うような気持で、私からの手紙を綴ってみようと思ったのです、病後二年、この間色々感じ考えたことを、小説の世界を作ることで見つめてみようとしましたが、出来ませんでした、虚構を生きる気持にはとてもなれなかったのです―――蘇った私自身の日常や現実が、見つめる対象になった時、方法が分からなかったのです―――生きることのように書く方法、理想や、背のびではなく、私の等身大の、私が生きることのように書く方法―――貴女と対話すること、そのことを書くこと、今の私にとっては、この方法が一番楽しく、願いにかなっています―――想像を広げ、貴女が見たものを私も見、味わい、教えられ、貴女と過ごした時をこそ大切にして―――一日一篇になるか、貴女と何も話せない時があるか、それはわかりませんが、本当に友達のように、語り、書いて行きたいと思うのです、

ドイツの自然保護運動

公園の老木を切り倒させまいと、市民らが飾りを作り、ワッペン、ぬいぐるみを作り、老木に巻きつけ、取り囲み、しかし排除され切り倒される、核廃棄物処理場になる地を守ろうと、そこにみんなで村を作り、住み、歌い、しかし、ヘリが押し寄せ、警察が押し寄せ、放水し、撲り、排除し、
世界のあちこちで、こうした支配、行政への抵抗、抗議の運動が、痛みを感じる個人において行われている、世界が1パーセントの富裕層によってどころではない、10人ほどの人間によってコントロールされていると、オキュパイの非暴力革命のように、独裁にも似る世界の政治機構への、有効な個人における抵抗運動、ジーン・シャープ『独裁体制から民主主義へ──権力に対抗するための教科書』
イデオロギーではない、人の行動原理、個人の意味、個人において為される、一人からの、自我からの行動、ここには思想の到達点がある、社会のあり方を、個人を基礎において、考え作っていくという、社会というものへの問いがある、個人の上に社会があるのではない、個人が社会を作るのだという、彼等、そのことが共有されている、木を切らないでと抵抗する私、切ろうとする社会、1パーセントの人間たち、九十九パーセントの個人の感情が抵抗する、木を植える人のようにやり続ける形、

キルケゴールを超え

絶望しても死ねない、現代という状況、死んでも死に切れないを超えた、あらゆる人の営為、思考、想像を超えた現実に対して、私は何をもって生に向かうか、向こう二百万年を支配する、善も悪も、真も美も、支配するこの現実に対してどのように対していくのか、何を真とし、何を意味とし、癌の転移を生きるような、病気で生まれてきた吾が子の、苦しみ、どうしてやることも出来ない、この悲しみ、この絶望、人として生きられないことへの、人以下の、生命そのものの吾が子が、吾が生命が、自然の奇形は、耐え難い苦痛を見舞い、核時代の想像力が、想像でも何でもなくなり、想像するという意味を失った、3.11、絶望を生きる、個を生きる、私を生きる、一人を生きる、私対世界だけが有効性を表わし、ナウシカのように、核汚染の中を人々は生きていくのだろう、そこにはそれなりのシアワセというものを人として持ち、味わい、絶滅までの時を生きていくのだろう、癌でそれまでの私は崩壊し、3.11でそれまでの日本は崩壊したのだった、私個人で再生する他ないのだった、私の癌、誰に替わってもらうわけにもいかない、癌で胃を全摘されたような福島、放射能汚染はダンピング症状、いずれ、福島が、原発があるが故に、おつりの、新しい生き方を、人は選び、生身を生き始める、私を重ねて、私の癌を通して思う、

人間とは何か

死ぬことをめざして生きている動物はいない、生きることをめざして死のリスクをとることはあるが、核、原発が、そのようにとられているのか、多少のリスクは、直ちにでなければ、といった、見えない、隠されたものへの、生きることとは、経済、飢えないことが優先で、人が死んでも、自分が死ななければと、たとえ自分が死んでも、死ぬまでのと、生きることがどういうことか分からない人間、生きたことがない彼等、
ロスチャイルド、金融マフィア、多国籍企業、独裁者、彼らの頭の中、解らないのです、それら人間のシステムもわからないのです、死の行進を続ける彼等、軍隊アリの行進のように、止めようがない、ナウシカが、虫笛というものを吹いて、制御を失ったオウムを止めていたが、彼らへの虫笛はあるのか、核戦争を想定している彼等、原発事故など、取るに足らないこととして、突き進んでいくのだろうか、核戦争が起きれば、直ちに絶望は襲うこととなるが、それでも全人類が直ちに絶滅するわけではなく、ゆっくりと、何世代かにわたって、いったいどんな方法があるのか、絶望しても尚、存在する希望とは、民主政治であるのだったら、ドイツが、イタリアが、脱原発に踏み切ったように、その流れを拡げていけばよいだけのことではあるのだが、多く、希望の人は解決は可能だと、核廃棄物も、厳重に管理って行けばと、しかし、200万年にわたる管理など、考えても、考えが及ばない時間のこと、全生命への恒常的な癌の、奇形の発生、汚染環境の中を生きる方法、シェルターの中で生きるものだけが正常で、外の人間は異形といった、チェルノブイリ、スリーマイル、原爆作家、詩人、平和、人道への犯罪告発などではない、人間への戦争への呪詛、核、原発への、呪詛こそ今、私だけが、存在への回復が困難なのか、何を書いても無力、戦争は、癌は、直接的、核は、転移は、間接、緩慢、しかし忘れることは出来ない、その奇形は、その病気は、核がもたらしたもの、前世紀の人間が起こした、取り返しのつかないこと、

私は考えるのです、この小頭症の頭で、私とは何でしょうと、この小さな頭は、太古の私の姿なのではないのかと、猿から人間へのあの始まりの姿、地球の大気が、太古に帰ったように、私も太古に帰ったのだと、 

私は考えるのです、この一つ目は、洞窟に住みついた魚に、目は必要ではなくなり、無くしていったように、いずれ人は地底に住むようになり、私はその未来の人の姿なのでしょうと、

私は考えるのです、体が2つあるということは、クローン人間として、将来癌や、その他の病気になった時、片方の体から臓器を取り出し、移植するための、臓器バンクなのだろうと、

こんな想像をする以外、チェルノブイリの奇形児たちに代わって、呪詛する言葉がない、彼らには、善も悪も、罪と罰も、輪廻転生もない、アウシュビッツの300万と、この彼等の奇形と、等しい罪であることの、彼等DNAの生き証人であることの、人道への、平和への、残虐へのなどの罪ではない、万死の、人の劫罰、 

時への信仰

過去、未来に頼らない、今このときに全てを位置づけ、過去未来を考えすぎて、何も出来なくなっている人、過去、未来は知らなくとも、今というときに、全てを求めるなら、夜が明ける、そのひと時の静寂、時が人間世界とは別なところで存在していると思わせる、まもなく、車、人、様々な音に溢れる、この夜明け前の一瞬の静寂、自然界にはこうした時に満ち、

日本を考えてみた

第二次大戦下の軍部、政治家、止められない戦争、負けが解っていて進めた戦争、とめられない国民に似る、原爆を落とされても、一億玉砕と、止めようとしない、結局天皇なるものが呼びかけて、止めてもらうことが出来た国、日本は世界の縮図であって、人間である日本人は世界とさほど差のあることではなく、世界の止められない原発核依存と変わらず、

世界や人を

ペシミズムで見るのか、見ないのか、宗教が根底にはペシミズムの上に、その裏返しのような天国、極楽を見ているのだった、

革命家や理想主義者が

人間を信じ、彼らが金や力でやってくるなら、我らも数と力でと、原因を見据え、解決、理想へと、

人間

歴史上に革命家はいた、英雄はいた、シーザー、ナポレオン、レーニン、ゲバラと、集団心理が生んだ理想主義



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