プリーモ・レーヴィ(Primo Levi)
プリーモ・レーヴィ(Primo Levi、1919年7月31日 - 1987年4月11日)はイタリアの化学者・作家。アウシュヴィッツ強制収容所からの生還者であり、この体験を記した『これが人間か』で世界的に知られる。
略歴
トリノのユダヤ人家庭に生まれる。1937年からトリノ大学で化学を学ぶ。
第二次世界大戦中、ナチスによるトリノ占領に対してレジスタンス活動を行う。1943年12月スイスとの国境沿いの山中で捕らえられ、そのまま強制収容所に送られる。1945年1月、アウシュヴィッツ解放、強制収容所より生還。
戦後は化学者・技師として働きながら、1947年の『これが人間か』以降、『休戦』『溺れるものと救われるもの』などでアウシュヴィッツの体験をテーマとして描く一方、いくつかの幻想小説も発表。1979年、『星型のスパナ』(La chiave a stella)でストレーガ賞を受賞、名実ともにイタリア文学を代表する作家となる。
イスラエルのパレスチナ占領政策に反対を表明し、物議を醸したことがある。また、ナチスによる絶滅収容所政策を「ホロコースト」と呼称することに反対した。
1987年、自宅アパートの階段から転落して死亡(自殺とする説もあるが、遺書などの確たる証拠はない)。墓碑には、名前と生没年の他にアウシュヴィッツでの彼の囚人番号「174517」が刻まれている。
作品
『これが人間か』(Se questo e un uomo 1947) 邦題は『アウシュヴィッツは終わらない??あるイタリア人生存者の考察』
『休戦』(La tregua 1963)→ 竹山博英訳、岩波文庫、2010年 (邦題)「遙かなる帰郷」で映画化
『休戦』(La tregua 1963)→ 竹山博英訳、岩波文庫、2010年 (邦題)「遙かなる帰郷」で映画化
『周期律』(Il sistema periodico 1975;竹山博英訳 工作舎 1992 ISBN 4-87502-204-2)La chiave a stella 1978
『今でなければいつ』(Se non ora, quando? 1982)
『溺れるものと救われるもの』(I sommersi e i salvati 1986)等。
『溺れるものと救われるもの』(I sommersi e i salvati 1986)等。
映画
『遙かなる帰郷』 (1996 イタリア、フランス、ドイツ、スイス); '87年、この映画の企画が持ち上がった事が、レーヴィの自殺の一因ともなった、と言われる。
映画の概要監督:フランチェスコ・ロージ 原作:プリーモ・レーヴィ
出演:ジョン・タトゥーロ、ラーデ・シェルベジヤ
受賞歴出演:ジョン・タトゥーロ、ラーデ・シェルベジヤ
1963年 カンピエッロ賞
1979年 ストレーガ賞
1982年 ヴィアレッジョ賞
参考文献1979年 ストレーガ賞
1982年 ヴィアレッジョ賞