Quantcast
Channel: 個人誌 『未踏』全ページ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1732

メンデルスゾーン - フェリクス・メンデルスゾーン (Jacob Ludwig Felix Mendelssohn-Bartholdy)14

$
0
0
イメージ 1

メンデルスゾーン - フェリクス・メンデルスゾーン (Jacob Ludwig Felix Mendelssohn-Bartholdy)14

オペラ

メンデルスゾーンは若い頃に、数曲のジングシュピールを家庭での演奏のために作曲した。彼のオペラ「ボストンから来たおじさん、または二人の甥(英語版)」は、彼の15歳の誕生日に彼のためにリハーサルが行われた[92]。1829年には「異国からの帰郷(英語版)」は両親の結婚記念を取り違えて書かれたお祝いの作品であり、彼の生前には出版されなかった。1825年に作曲された「カマチョの結婚(英語版)」はより洗練された作品で、一般に上演するためドン・キホーテのエピソードに基づいて書かれたものである。1827年にベルリンで上演されたものの、反応は冷ややかであった。メンデルスゾーンは初演の幕が下りる前に劇場を後にし、以降の公演はキャンセルされた[93]。

彼は完全なオペラを製作するという意志を捨てることなく、様々な題材を温めていた。後にワーグナーが取り上げる「ニーベルンゲンの歌」もその1つである。しかし、どの計画も数ページのスケッチをするにとどまり、それ以上は進展しなかった。メンデルスゾーン晩年に、オペラ興行主のベンジャミン・ラムレー(英語版)[注 23]は彼にシェイクスピアの「テンペスト」をウジェーヌ・スクリーブの台本で書かないかと持ちかけ、メンデルスゾーンが死去した1847年にも同作が完成間近だと告知している[94]。最終的に台本はジャック・アレヴィによるものとなっていた。また、メンデルスゾーンは死去した際、ローレライの話に基づくオペラのスケッチをいくから遺していた。

協奏曲

Two staves of printed music notation
ヴァイオリン協奏曲第2楽章の主要主題

フェルディナント・ダヴィッドのために書かれた「ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64」(1844年)は、メンデルスゾーンの楽曲の中でも最も人気のある曲の1つとなった。今日においても3大ヴァイオリン協奏曲のひとつとして数えられる。ダヴィッドはメンデルスゾーンがこの曲に取り組んでいる時期に共に近しく仕事をする仲であり、所有していたグァルネリのヴァイオリンでこの協奏曲の初演のソリストを務めた[95]。

メンデルスゾーンはもう1曲、あまり知られていない「ヴァイオリン協奏曲 ニ短調」(1822年)を作曲している。一般的なピアノ協奏曲は全4曲ある。第0番 イ短調(1822年)、第1番 ト短調 Op.25 (1831年)、第2番 ニ短調 Op.40 (1837年)、第3番 ホ短調 (遺作 断片のみ 1844年)である。また、2台のピアノのための協奏曲が、15歳で作曲したホ長調 MWV O5と17歳で作曲した変イ長調 MWV O6の2曲ある。さらに、2台の独奏楽器を有する協奏曲には「ヴァイオリン、ピアノと弦楽のための協奏曲 ニ短調」(1823年)がある。また、単一楽章のピアノの協奏的作品も作られている。1834年の「華麗なロンド 変ホ長調 Op.29」、1832年の「華麗な綺想曲 ロ短調 Op.22」、1838年の「セレナードとアレグロ・ジョコーソ ロ短調 Op.43」である。また、コンチェルティーノ(小協奏曲)が2曲あるが、元はクラリネット、バセットホルンとピアノのために書かれたOp.113とOp.114である。Op.113には作曲者自身による管弦楽編曲版がある[96]。

室内楽曲

メンデルスゾーンの成熟した作曲様式は多くの室内楽曲にも現れており、ここではより大規模な作品には欠けている情動的な熱っぽさがみられる。とりわけ、彼の弦楽四重奏曲の最後の作品で、かつ最後の主要作品となった「弦楽四重奏曲第6番」は、姉のファニーの死の後に書かれており、力強く雄弁である。弦楽五重奏曲には2曲、「弦楽五重奏曲第1番」と「第2番」がある。各種器楽ソナタには「クラリネットソナタ」、「チェロソナタ第1番」と「第2番」、「ヴィオラソナタ」、「ヴァイオリンソナタ」が知られる。ピアノ三重奏曲は3曲(1820年に作曲されたハ短調の三重奏曲、「第1番」、「第2番」)があり、このうち第1番においては彼としては珍しく仲間のフェルディナント・ヒラーの助言を仰いでいる。メンデルスゾーンは彼の言葉に従い、ピアノパートをよりロマン派風の、シューマン的様式に書き換え、これが非常に高い効果を発揮している[97]。

合唱曲

メンデルスゾーンが聖書に影響を受けて作曲した2つの大規模なオラトリオ、1836年の「聖パウロ」と1846年の「エリヤ」はバッハからの影響を強く受けたものである。未完成のオラトリオ「クリストゥス Christus」はレチタティーヴォ、合唱There Shall a Star Come out of Jacobと男声の三重唱で構成されている。合唱はしばしば演奏される。

「最初のワルプルギスの夜」は著しく異なり、より顕著にロマン派的な作りになっており、ゲーテのバラッドに合唱と管弦楽をあてがっている。ゲーテは本作で、キリスト教信仰初期にハルツ山地のドルイドが行っていたペイガニズムの儀式を描写している。学者のハインツ=クラウス・メッツガー(英語版)はこの注目すべき総譜を見て「ユダヤ人がキリスト教による支配に抗っている。」と評している[98]。

メンデルスゾーンは合唱のみや、合唱とオルガンによる小規模な宗教音楽にも多くの作品を遺している。大半は英語で書かれるか、または援護に翻訳されており、現在でも非常に人気が高い。中でも最も有名なのは「我が祈りを聞きたまえ(英語版)」であり、『おお、鳩の翼に O for the Wings of a Dove』を含む第2部は単独の楽曲としても非常に人気が高い。この楽曲は混声合唱、オルガンと、難技巧を要求する長いパッセージを持つボーイソプラノまたはソプラノのソロのための曲である。このため、特に教会や聖堂の少年聖歌隊員の間では有名で、ボーイソプラノの独唱で録音もよくされている。メンデルスゾーンの伝記作家のトッド(Todd)はこう述べている。「イングランドにおけるこの聖歌の人気こそが(中略)後にヴィクトリア朝時代の道徳観を軽蔑的にみる者たちから、曲が表層的だという非難を浴びせられる原因となるのである[99]。」

賛美歌のメンデルスゾーンのメロディーとしては、ウィリアム・ハイマン・カミングス(英語版)がメンデルスゾーンのカンタータ「祝典歌(英語版)」から取り、チャールズ・ウェスレーの賛美歌「天には栄え」と合わせた楽曲が広く歌われている。これは元々メンデルスゾーンが宗教曲には合わないと感じた[91]、1840年代の世俗的楽曲の一節からの抜粋であるが、クリスマスの定番となっている。

歌曲

メンデルスゾーンは歌曲にもピアノとのソロや二重唱など、多くの作品を残している。多くは簡素な形式で、有節歌曲の形から少し改変したものである。「歌の翼に」など数曲は人気を勝ち得ている。フランツ・リストは、「歌の翼に」や「新しい恋」(ハイネの詩による)などを含む9曲を、ヴィルトゥオーゾ的な技巧を用いてピアノ独奏曲に編曲している(S.547-548)。

メンデルスゾーンの名前で世に出された歌曲のうち、相当数が姉のファニー作曲によるものである。これはメンデルスゾーン家の古い考え方や、彼女自身が内気な性格であったことなどが原因であったと考えられる[100]。

ピアノ曲

メンデルスゾーンの「無言歌集 Lieder ohne Worte」は、各6曲、計8集から成り(うち2集は遺作となった)、彼のピアノ曲では最も有名であり続けている。この曲集はすでに彼の生前より、ちょっとした演奏会での定番曲となっており[101]、あまりに人気が出すぎたために批評家がその音楽的価値を低く評価するようになってしまった[102]。メンデルスゾーンの無言歌に触発される形で、多くの作曲家が同様の形式の作品を生み出している。シャルル=ヴァランタン・アルカン(第5集にわたる「歌曲集」Op.57-1、57-2、65、67、70でそれぞれが舟歌で終わる)、アントン・ルビンシテイン、モシェレス、エドヴァルド・グリーグらである。

メンデルスゾーンの他のピアノ曲では、「厳格な変奏曲」 Op.54(1841年)、「ロンド・カプリチオーソ」 Op.14(1824年)、6曲からなる「前奏曲とフーガ」 Op.35(1832年から1837年)、「7つの性格的小品」 Op.7(1827年)がある。

オルガン曲

メンデルスゾーンはオルガン演奏もこなし、11歳から死ぬまでオルガン曲を作曲し続けた。中でも主要な作品は「3つの前奏曲とフーガ」 Op.37(1837年)と「6つのオルガンソナタ」 Op.65(1845年)であり、エリック・ウェルナー(Eric Werner)の記すところによれば「メンデルスゾーンのオルガンソナタは、バッハ作品に継いで、全てのオルガニストの必須のレパートリーである[103]。」

イメージ 2

メンデルスゾーン:合唱作品集(カルミナ室内合唱団/ハンケ)

MENDELSSOHN, Felix: Chorlieder (Carmina Chamber Choir, Hanke)

このページのURL
イメージ 3

メンデルスゾーン:劇音楽「アタリー」Op. 74

MENDELSSOHN: Athalia (Athalie), Op. 74 - incidental music and narrative passages

このページのURL
イメージ 4

メンデルスゾーン:劇音楽「コロノスのオイディプス」(ベルリン放送響/ゾルテス)

MENDELSSOHN, Felix: Oedipus at Colonus (Soltesz)

このページのURL
イメージ 5

メンデルスゾーン:劇音楽集 - アンティゴネ/コロノスのオイディプス/アタリー/夏の夜の夢

MENDELSSOHN, Felix: Incidental Music - Antigone, Oedipus at Colonus, Athalie, A Midsummer Night's Dream (Soltesz, Spering, Vonk)

このページのURL
イメージ 6

メンデルスゾーン:劇付随音楽(シュトゥットガルト・フィル/ベルニウス)

MENDELSSOHN, Felix: Incidental Music (Stuttgart Philharmonic, Bernius)

このページのURL
イメージ 7

メンデルスゾーン:無言歌集(B. シュテークマンによる合唱編)(ベルリン・ヴォーカル・アンサンブル/シュテークマン)

MENDELSSOHN, F.: Lieder ohne Worte (Songs without Words) (arr. B. Stegmann for choir) (Lieder mit Worten) (Berlin Vocal Ensemble, Stegmann)

このページのURL
イメージ 8

メンデルスゾーン:劇付随音楽「夏の夜の夢」/シューベルト:八重奏曲(ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン・ウィンド・ソロイスツ)

MENDELSSOHN, Felix: Midsummer Night's Dream (A) / SCHUBERT, F.: Wind Octet (Bremen Deutschen Kammerphilharmonie Wind Soloists)

このページのURL
イメージ 9

メンデルスゾーン:歌劇「異国からの帰郷」(ミュンヘン放送管/ワルベルク)

MENDELSSOHN, F.: Heimkehr aus der Fremde (Wallberg)

このページのURL
イメージ 10

メンデルスゾーン:ボストンから来たおじ(リリング)

MENDELSSOHN: Der Onkel aus Boston (The Uncle from Boston)

このページのURL
イメージ 11

メンデルスゾーン:歌劇「2人の教育者」(ミュンヘン・ブロードキャスティング管ワルベルク)

MENDELSSOHN, F.: Beiden Padagogen (Die) (Wallberg)

このページのURL
イメージ 12

BLUE TRAIN

このページのURL
イメージ 13

マジック・ヴォイセズ・オブ・クリスマス(1954-1959)

MAGIC VOICES OF CHRISTMAS (THE) (1954-1959)



Viewing all articles
Browse latest Browse all 1732

Trending Articles