マリア・アンナ・テークラ(べーズレ)の鉛筆画
モーツァルトは従姉妹に排泄にまつわる駄洒落にあふれた手紙を送ったことがある[39]。いわゆる「ベーズレ書簡」といわれるもので、「あなたの鼻に糞をします」、「ウンコで君のベッドを汚してやるぞ!僕のおしりが火事になった! どういうこと! 知ってるぞ、みえるぞ、なめてやろうか、ん、何だ? - ウンコが出たがってる? そう、そうだウンコだ。俺は変態だ!」などの記述がある[40]。従姉妹はマリア・アンナ・テークラ・モーツァルトといい、父・レオポルトの弟の娘で、ヴォルフガングがこの女性と従姉妹以上の恋愛関係にあったともされる[41]。
べーズレ書簡はヴォルフガングの死後、息子たちによって破棄を望まれたが、現在6通が保管されており、これらの手紙は彼の男性的で激しい部分や、言葉による旺盛な想像力と好ましいセンスを証明している。べーズレの残された数少ない銅版画は、彼女の素晴らしい美貌を示しているが、この点は彼女の強みとはならず、彼女がかなり移り気な女性であったことがのちに証明されることとなる。
遠く離れた妻のコンスタンツェにあてた手紙では、そういった言葉づかいは見当たらず、繊細さや優しさを帯びた手紙となっており、何本かの手紙は実に詩的なものであることも忘れるべきではない。ほかに『俺の尻をなめろ』(K.231、K.233)というカノンも作曲するなど、この類の話は彼にスカトロジーの傾向があったとしばしば喧伝されるエピソードであるが、当時の南ドイツでは親しい者どうしでの尾籠な話は日常的なものでありタブーではなかった[42]し、またモーツァルトの両親も大便絡みの冗談をいっていた[43]。モリエールが浣腸の物語でフランス国王を楽しませた時代のフランスも、その100年後に「ペトマヌ(放屁で芸をする芸人)」の鳴り響く壮挙を見物しようと押し寄せたパリの高級住宅街の住人も同じであり、フランスの劇作家であるヴィトラックは「勝利または権力をもつ子どもたち」で中心人物であるペトマヌを演じている。
19世紀の伝記作者はスカトロジーの表現を無視したり破棄したりしてモーツァルトを美化したが、現在ではこうした表現は彼の快活な性格を表すものと普通に受け止められている。また、上掲の「俺の尻をなめろ」"Leck mir den Arsch"、"Leck mich im Arsch" は英語の"Kiss my ass"(「糞ったれ!」など)と同類の慣用表現であり、やや下品ではあるが必ずしもスカトロジー表現とはいえない。
そのほか冗談好きな逸話としては、ある貴族から依頼を受けて書いた曲を渡すときに手渡しせず自分の家の床一面に譜面を並べ、その貴族に1枚1枚拾わせたというエピソードがある。
精神医学界には、こうした珍奇な行動がサヴァン症候群によるものであるという説もある[44]。
九柱戯(ボウリング)やビリヤードを好み[45]、自宅にはキャロムテーブルを置きビリヤードに興じていた[46]。ビリヤード台の上に紙を置き、そこで楽譜を記していたというほどである。賭博にもよく興じたという。高価な衣装を好み、立派な住居を求めて何度も引越しをした。モーツァルトの晩年の借金の原因として浪費に加えて「ギャンブラー説」を唱える人もいるが、確かなことは不明である。
べーズレ書簡はヴォルフガングの死後、息子たちによって破棄を望まれたが、現在6通が保管されており、これらの手紙は彼の男性的で激しい部分や、言葉による旺盛な想像力と好ましいセンスを証明している。べーズレの残された数少ない銅版画は、彼女の素晴らしい美貌を示しているが、この点は彼女の強みとはならず、彼女がかなり移り気な女性であったことがのちに証明されることとなる。
遠く離れた妻のコンスタンツェにあてた手紙では、そういった言葉づかいは見当たらず、繊細さや優しさを帯びた手紙となっており、何本かの手紙は実に詩的なものであることも忘れるべきではない。ほかに『俺の尻をなめろ』(K.231、K.233)というカノンも作曲するなど、この類の話は彼にスカトロジーの傾向があったとしばしば喧伝されるエピソードであるが、当時の南ドイツでは親しい者どうしでの尾籠な話は日常的なものでありタブーではなかった[42]し、またモーツァルトの両親も大便絡みの冗談をいっていた[43]。モリエールが浣腸の物語でフランス国王を楽しませた時代のフランスも、その100年後に「ペトマヌ(放屁で芸をする芸人)」の鳴り響く壮挙を見物しようと押し寄せたパリの高級住宅街の住人も同じであり、フランスの劇作家であるヴィトラックは「勝利または権力をもつ子どもたち」で中心人物であるペトマヌを演じている。
19世紀の伝記作者はスカトロジーの表現を無視したり破棄したりしてモーツァルトを美化したが、現在ではこうした表現は彼の快活な性格を表すものと普通に受け止められている。また、上掲の「俺の尻をなめろ」"Leck mir den Arsch"、"Leck mich im Arsch" は英語の"Kiss my ass"(「糞ったれ!」など)と同類の慣用表現であり、やや下品ではあるが必ずしもスカトロジー表現とはいえない。
そのほか冗談好きな逸話としては、ある貴族から依頼を受けて書いた曲を渡すときに手渡しせず自分の家の床一面に譜面を並べ、その貴族に1枚1枚拾わせたというエピソードがある。
精神医学界には、こうした珍奇な行動がサヴァン症候群によるものであるという説もある[44]。
九柱戯(ボウリング)やビリヤードを好み[45]、自宅にはキャロムテーブルを置きビリヤードに興じていた[46]。ビリヤード台の上に紙を置き、そこで楽譜を記していたというほどである。賭博にもよく興じたという。高価な衣装を好み、立派な住居を求めて何度も引越しをした。モーツァルトの晩年の借金の原因として浪費に加えて「ギャンブラー説」を唱える人もいるが、確かなことは不明である。
モーツァルト:ピアノ・ソナタ全集(ビルソン)
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モーツァルト:歌曲集(白井光子/ヘル)
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モーツァルト:宗教合唱作品集(ヨーロッパ室内合唱団/マット)
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モーツァルト:宗教的アリア集(ヘンドリックス)
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モーツァルト:合唱作品集(グロリエ・デイ・カントレス/パグズレー)
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